先日の日経新聞で、相続費用の記事が掲載されていました。

内容は、相続税法の改正で「納税対象者」の範囲が広がるため

料金を明瞭化し、基本料金は30万円程度に抑える税理士法人が多い、というものです。

 

一概に相続税といっても、相続財産の種類は多数あるため

料金を明瞭化するのは難しいのが実際です。

当該記事の「30万円」という金額もあくまで「基本料金」という

前置きがあるため、結局はいくらかかるのかは不明です。

 

仮に「基本料金」が30万円であったとしても、

相続財産が有価証券や預貯金ばかりである場合と

不動産や、在外資産も含まれていたりする場合では、

実費も含めて、費用は当然に変わってくると思われます。

 

ちなみに、過去に設けられていた税理士の報酬規程(旧報酬規程)によると

基本報酬額10万円

遺産総額基準の手数料が5,000万円未満でプラス20万円、

7,000万円未満でプラス35万円、1億円未満で60万円、

さらに相続人が一人増えるごとに上記の遺産総額部分の報酬に10%が加算されます。

また、旧報酬規程ではこれに税務書類作成費用が従量加算されます。

 

たとえば、ご相談件数が多いと見込まれる遺産総額1億円、

相続人が3人の場合には、

基本料金    100,000円

遺産総額基準  600,000円+600,000円×30%=780,000

税務書類作成費用 300,000円+300,000円×30%=390,000

となり、合計1,270,000円になってしまいます。

このケースでも、あくまで「基本料金」は100,000円です。

 

また、これとは別途交通費や証明書費用、

遺産分割に係る弁護士費用、相続財産の登記費用などが発生します。

 

旧報酬規程はすでに廃止されていますが、

これを基準にして手数料を算定している事務所はまだ多いはず。

もともと旧報酬規程は最高額の規程なので、

実際にはこれほど費用はかからないと思われますが、

余計に、納税者の方からみると「結局うちはいくらなの?」となるでしょう。

 

大阪府和泉市万町280-1

高橋英晴税理士事務所